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ご挨拶

 これまで能代山本地域を拠点に、高齢者とその家族の終活相談に応じてきました。しらかみ終活相談所では、高齢者の個人的な相談のほか、行政の福祉課や地域包括支援センター、介護事業者、病院などからの問合せが数多く寄せられ、その相談業務は5年目となりました。相談を通して、高齢者を取り巻く支援制度の現状、また本人のご家族の切実で複雑な不安に対し、十分に応えられていないのではないかと、もどかしさを感じることもありました。

 そのような時に、民事信託という制度と出会い、制度の内容と事例を詳細に調査研究し、法的な扱い(業法登録の要否など)を確認。信託契約書(公正証書)の書式、弁護士、司法書士、税理士等、各士業との意見交換及び連携の確認、公証役場や金融機関などとの協議を経て、民事信託普及協会は活動を本格的にスタートすることができました。

 この度の民事信託普及協会の設立により、高齢者の認知症対策、親なきあと問題などへの対策として、大きな一歩を踏み出すことができたと考えています。さらに、私たちの大事な仕事として、民事信託を扱う専門家の育成に取り組み、後継者を輩出していかなければならないとも考えています。なお現在、民事信託や家族信託の普及に取り組む団体は複数あり、各地で事業を行っていますが、東北地方では初めての取り組みとなります。

 私たちの最も大切にしている基本理念は「権利擁護」です。この信託制度をフル活用して、誰でもが安心して安全に暮らすことができるよう、高齢者やそのご家族等、相談者に対し誠心誠意支援を継続してまいります。これまで同様、皆様のご支援、ご協力を何とぞよろしくお願い申し上げます。

2022年3月 特定非営利活動法人 民事信託普及協会 理事会